From:カウンセラー 飯塚 千栄子
「成婚率はどれくらいですか?」
入会を検討されている方からよくいただく質問のひとつです。
結婚相談所での活動には決して安くはない費用がかかります。
そこに入会して、何人が結婚できたの?
そこに入会して、何人が結婚できなかったの?
そこに入会して、本当に私は結婚できるの?
そう考えるとやはり、その結婚相談所の成婚率が気になりますよね。
成婚率の高い結婚相談所を選んだほうが良さそうに思えるのですが・・・
はっきり申し上げると、成婚率はあくまでひとつの参考程度。
決して鵜呑みにせずに、入会を検討されている結婚相談所のカウンセラーと実際に面談して、活動の方針や二人三脚の相性などをよく確認したうえで入会するようにしましょう。
成婚率を入会の決め手にするのはたいへん危険です。
というのも・・・
成婚率とは
成婚率とは、その結婚相談所でどれだけの会員が結婚に至ったかを示す割合です。
一般的には「活動の中から結婚の合意がなされて退会すること」とされるのですが、じつは結婚相談所の使う「成婚率」に厳密な定義はなく、結婚相談所によって独自の表現をしているところも少なくありません。
そもそも、どの結婚相談所の活動においても確実に結婚できるという保証などありません。ですのであまりに誇張した表現の場合、業界団体などから注意を受けることもあります。
なぜ成婚率は結婚相談所によって違うの
なぜ成婚率は結婚相談所によって違うの?
それは成婚率の算出方法が結婚相談所によって異なるからです。
たとえば成婚率80%のマリッジピースという結婚相談所と成婚率50%のブライダルマリッジという結婚相談所があったとします。(2つとも架空の結婚相談所ですよ)
成婚率80%と成婚率50%で比べると、成婚率80%のマリッジピースに入会したほうが結婚できそうな気がしますよね。
でも成婚率の算出方法がこのように異なっていたらどうでしょうか。
【マリッジピース】
成婚率80% = 総会員数 ÷ 総成婚数(総退会者数)
【ブライダルマリッジ】
成婚率50% = 総会員数 ÷ 総成婚数(成婚退会者のみ)
マリッジピースは、過去から現在まで活動している人が全部で100人いて、退会した人が80人という計算です。退会の前提は成婚であり、友人の紹介や自力で相手を見つけて結婚する人などの「自己都合」も含むといった捉え方です。
一方、ブライダルマリッジは、過去から現在まで活動している人が全部で100人いて、実際にブライダルマリッジで成婚となり退会した人が50人です。
このように比べるとブライダルマリッジの成婚率50%のほうが信頼のおける数字と言えそうです。
成婚率と成婚人数の関係
また、活動中の会員を含めないのが成婚率とすれば、
100人の会員がいて、20人が成婚して退会し、20人が成婚しないで退会したとすれば
退会者の総数(40人) ÷ 成婚退会(20人) = 成婚率50%
となります。
でも実際に成婚したのは20人です。
成婚率は50%だけど100人のうち80人は結婚していません。
ものすごく違和感がありませんか。
成婚率と成婚までの期間
成婚までにかかった時間も重要ではないでしょうか。
入会してから1か月で成婚に至るスピード婚もあれば、入会してから3年後にようやく理想の相手に巡り合えたという結婚もあります。この場合、どちらも成婚カウントは1件です。
でも成婚率の算出期間を入会後1年以内の成婚退会としている場合、前者はカウントされますが後者はカウントされません。
成婚率が同じ50%であっても入会後1年以内のものなのか、3年以内のものなのかによって印象がまったく違いますよね。
活動のペースは人それぞれですし、成婚率が自分のペースに合った活動を示しているとは限りません。
経済産業省が示す成婚率は10%前後!?
2006年5月に公表された経済産業省の『少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究』によると、
結婚相談所の男性会員の成婚率は8.4%、100人の会員がいるとすれば成婚したのはわずか8人で、女性会員の成婚率は10.1%、100人のうち10人しか成婚していないことになります。
少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究 P27引用:経済産業省『少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究』より
この数字だって正しいとも言えますし、正しくないとも言えます。
すべての統計情報は算出方法によって異なりますので、自分で正しく意味づけをして判断していくしかないのです。
だから結婚相談所の成婚率は鵜呑みしてはいけないのです。
良質な結婚相談所を見抜く方法
結婚するためには、最終的にご本人の頑張りが必要です。
でも今の時代、それだけで結婚できれば苦労しません(よね?)
日々の生活に忙しい現代人にとって、いかに効率よく出会いを設定してくれて、ときには停滞する活動や沈みがちな気持ちを奮い立たせてくれるカウンセラーの存在が欠かせないと思います。
だから成婚率の数字で比較するよりも、担当されるカウンセラーの人なりで比較したほうがいいのです。何社か回ってみて、カウンセラーの方と話し合って、活動の方針やカウンセラーとの相性を比較したほうがいいのです。カウンセラーとの呼吸が合うかどうか、といったほうがわかりやすいでしょうか。
あなたは同性のカウンセラーとのほうが活動しやすいのか、異性のカウンセラーのほうが相談しやすいのか?
どちらが正しいかではありませんし、それぞれに一長一短あります。
傷つきやすい私の気持ちにそっと寄り添ってくれるカウンセラーを信頼するのか、ときには厳しい現実をはっきりと指摘してくれるカウンセラーを信頼するのか?
これだって自分しだいであり、実際にカウンセラーと会って話してみないことには感触が掴めません。
だから、結局のところ良質な結婚相談所を見抜くにはカウンセラーとの面談になると思うのです。
まとめ
結婚相談所の成婚率を鵜呑みにしてはいけませんし、成婚率で入会を判断するのはたいへん危険です。あくまで参考程度に留めるようにしてください。
良質な結婚相談所、自分に合った結婚相談所を選ぶには実際にカウンセラーと会って話を聞いてみることをお勧めします。
私のアドバイスであなたの人生がもっとよくなるのであれば、嬉
――飯塚 千栄子